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 vol.21

☆閉店セ−ル☆

 「不況は日本だけじゃないんだな〜」、今回アメリカで初めて感じた。サンタフェのショッピングモ−ルに遊びに行ったときも、シャッタ−が閉まり空き店舗になっているところが要所要所にあったし、大好きなフ−ドコ−トも選ぶほどの店数がなく、ちょっと残念だった。観光名所のサンタフェのプラザやアルバカ−キのオ−ルドタウンもいつになく人がまばら、ナバホリザベ−ションやズニリザベ−ションの近郊の街も同様だった。
 その日は珍しく時間があいたので、ショッピングモ−ルへ行くことにした。そこには、JCペニ−やKマ−ト、その他いろんなお店が入っている。見るだけでもかなりの時間が費やせる。いつも重点的に見るKマ−ト側に車をとめると、外壁にでかでかと「閉店セ−ル」の看板がかかげてあった。「閉店セ−ル=安売り、ラッキ−!!」車を降りてからの足どりは軽くなる。
 Kマ−トは、平日にも関わらず人、人、人。ちょっとした衣料から日用品、おもちゃ、ジュ−ス・お菓子、スポ−ツ用品などなど、いろんな物を売っている。まず、目に入ったのは衣料品売場。とにかく、安い!!靴下一足1ドル!!!一生懸命ひっかきまわしたが、あいにくサイズが合わなかったので断念。次は日用雑貨売場へダッシュ。もともと、洗濯洗剤を買うつもりだったので、これ幸いと行ってみると、なんと品物がない。洗剤も柔軟剤も1個もない。かろうじて置いてあるのは漂白剤のみ。それでも残り数点だけだった。続いて、ボディシャンプ−売り場へ、そこも同じでお気に入りのシリ−ズが全部売り切れとなっている。あれこれ欲しい物を探して、なんとか手に入れることができたのは、マウスウォッシュ。これだって、1個だけ取り残されたかのようにポツンと棚に置いてあった。
 その他の売場(家具やスポ−ツ用品、食器など)は、目立った商品の減り具合はあまり感じなかった。みんな、日常で必要な物から買っていたみたいである。
 他の人は、どんなかな〜と通りすがりに覗いてみると、ナバホの中年のおじさんはゴルフクラブのセットを買って満足そう。ナバホのやんちゃそうな男の子2人は、お母さんの買い物の相手に疲れたのかガ−デニング用のテ−ブルセットのイスに座り、くつろいでいた。
 そして、レジは長蛇の列。レジのおばさんは、見るからにお疲れモ−ドだった。顔は一応笑顔を保ているが、次から次へと客がくるので、目を合わせる余裕もなく、黙々とレジを打っていた。
 たまたま閉店の安売りに居合わせたけど、今度行くときには、もうあそこにKマ−トはないんだよな〜、今さらだけど寂しさが湧いてきた。
☆2月の雨☆

 以前、このDAWA日記で2月の雪について書いたことがあった(vol.18参照)。それには「アメリカに着いたその日は雪が降る」というジンクスがあることを書いた。今回、このジンクスを初めてうち破った。八戸から成田空港へ向かうときも、アメリカでは初日だけでなく滞在中ずっと、雪に見舞われることがなかった。内心、「今年は何かが違うぜ〜い」と、心躍らせていた。
 しかし、滞在半ばにしたある日。その日は、お土産ものを購入しようとサンタフェとアルバカ−キを見て回る予定だった。最初、サンタフェを歩いていたとき、ポカポカ陽気で2月とは思えない暖かさだった。午後になりアルバカ−キへ移動するときも、青空で多少雲がやや低いかな〜と思ったくらいだった。ところが、間もなくアルバカ−キというところで、雲がいきなり真っ黒になっていた。暗くなるにしても時間は早いし、もしかして雷雨にならないよな〜と不安になってきたところ、前方でピカッと光り、カミナリがゴロゴロなり始めた。そして、直後大粒の雨も降り出した。一番早いワイパ−もほとんど効き目がないくらいの勢いだ。ハイウェイを下り、アルバカ−キの街に着いた。ル−ト66を走ると道路脇にはあふれんばかりの水がたまっていた。対向車や追い越しの車が通るたびに派手な水しぶきが上がる。道路にあたって跳ね上がる水しぶきで視界が悪く、車を運転するのも大変。だが、もっと大変なのは歩行者だった。ほとんどの人が不意の雨で傘を持っておらず、ずぶぬれ状態。上からは雨、下からはあふれている雨水、横からは通りすがりの車の水しぶき。ここまでずぶぬれだと雨宿りも意味がないのか、開き直ったかのように堂々と歩いていた。そしてこの豪雨は、30分くらい降り続いた。
 一時は、前が見えないので予定を変えて帰ろうかと思った。しかし、オ−ルドタウンに着いた頃、さっきまでの大雨がウソのよう。いつもと同じ青空と太陽の光。観光客もなにもなかったかのよう。私たちは、運良く雨に打たれることなく、その後買い物をすることができた。「やはり、今年は何かが違うぜ〜い」。
☆2月14日・・・何の日?☆

 2月14日といえばバレンタインデ−。何日か前にアメリカに来ていた私はギフトショップやス−パ−などの華やかなディスプレイでなんとなくバレンタインデ−を感じていた。ス−パ−のカ−ド売場はあふれんばかりの人だし、路上にもバラなどの花束を売る人がたくさん見られた。日本では女性から男性へという風習なんだけどアメリカでは男女どちらからでもという風習のようだ。
 さてさて2月14日の当日、私たちはコインランドリ−での洗濯から始まった。朝の9時頃、洗濯物をかついでやってくると、まだ開店して間もないせいか稼働している洗濯機は少なかった。洗濯機も無事動きだしいつものようにコ−ヒ−を買って待つことにした。コインランドリ−のおばさんは早々と、バレンタインの贈り物とカ−ドをもらったらしく、赤地に白のハ−トがついたカ−ドを眺めていた。
 私たちのあとに、一組の家族がやってきた。タ−コイズをたくさん身につけた、いかにもナバホの老女という出で立ちのおばあさんと、中年の女性と3人の子供たち。1番上のお姉ちゃんは中・高校生くらい、細身のブ−ツカットのジ−ンズで携帯片手に誰かとおしゃべり、普通の今時の子という感じ。下の男の子2人は小学生のよう、髪には赤のメッシュを入れたりしていかにもやんちゃそう。お姉ちゃんは、弟たちに会話のジャマをされないようにあちこち移動しながらおしゃべりしていた。・・・で、ここで疑問が湧いた。2月14日金曜日、バレンタインデ−とはいえ、この日は平日で学校もあるはず。なのに、なぜ朝からこんな所に子供がいるのだ???
 答えはすぐに出た。運良くコインランドリ−のおばちゃんが話しかけてきたのである。そこで、さきほどの疑問を聞いてみた。「今日は学校お休みなの?」すると、「今日はニュ−ミキシコ州の116回目の誕生日。学校も休みなんだよ」。粋ではないか、バレンタインデ−が州立記念日とは。
 洗濯も終わり、街をぶらついてみた、なにか特別な催し物でもないかと。けど特別変わったことはなかった。ただ、お昼ご飯を食べようとショッピングモ−ルのフ−ドコ−トへ行ったとき、どこもかしこも学校が休みのガキ・ガキ・ガキ。結局、ニュ−メキシコの2月14日は、バレンタインデ−や州立記念日というより子供の日(?)。・・・そんな印象を感じてしまった。